小部屋の住人 =裕樹=
「心地よい闇」
見知らぬもの同士が
まるで知人の様相の世界に
少しうんざりして目を閉ざそうとするとき
孤独という名を持つ
月が笑っていた
ああ
君よ
月が欠く日に外に出てはいけない
忍び寄る悪意に良く似た絶望を
美しいと思ってはいけない
思ってはいけない
逃げ道の闇なら要らない、そういう気持ち。
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