=エピローグについて=

以前も『お願い-エピローグについて』という案内を差し上げたと思いますが、ご参加をお願いする皆様に改めてエピローグについての概要をお知らせします。

まず『共和暦』のコラボについては、既に皆様の作品が出揃いそれぞれ趣向を凝らした力作で各月を飾って頂いています。
その作品は最初に朱雀がお願いした通り、どの月も『共和暦』に捕らわれず月の名前からイメージを広げ、個性溢れる独創的なコラボレーション作品となっています。

そしてそれぞれの素晴らしい作品を1つの『共和暦』という作品に仕上げる為に、扉となるプロローグと総括的な締めくくりとしてのエピローグが加わります。
プロローグは既にUP済みですので、今回最後に本当の締めくくりとして『エピローグ』を作ります。

前回も記載しましたがエピローグ創作にあたり、より理解していただく為に『共和暦のまとめ』とエピローグの『詩のテーマ』等を改めて書いて置きます。


【共和暦について】

共和暦(革命暦)と言うのはフランス革命の後に、民衆により「隷属の記念碑」であった過去の暦を捨て「新生フランス」を象徴する暦として作られたものです。
ひと月が30日、1週間は10日、1日は10時間、1時間は100分と、非常に変則的なこの暦は反キリスト教の立場からイエスの誕生を紀元元年とするグレゴリ暦を徹底的に否定し、新生フランスにふさわしい理性に基づいた自然の摂理をイメージさせる月の名前で綴られています。
この月の名前は詩人ファーブル・ド・エグランティヌにより創案されました。

12の月の後に5日間(閏年は6日)の休日、【サンキュロットの休日】がありますが、これは『半ズボンを履かない人』と言う意味で、当時のフランスの貴族が半ズボンを履いていた事に対抗して、民衆が長ズボンを履いていたことから名付けられました。
またサンキュロットの休日にもそれぞれフランス革命を象徴するような『美徳の日』『才能の日』『労働者の日』『意見の日』『報酬の日』『革命の日』と言う名前が付いています。


【エピローグの詩のテーマ】

エピローグの詩を作るにあたり、ここで初めて【共和暦】というのを少し意識して頂きたいと思います。
フランス革命と言う民衆の戦いの記念すべき記憶が刻まれた暦に対する賛歌をベースに、数え切れない偶然と必然によってここにこうして出合った仲間への賛歌を1つの詩にしてください。

具体的には6連でなる詩を6人の詩人で創作します。

連は【サンキュロットの休日】に名付けられた6つの名前をそれぞれキーワードにして繋いでゆきます。
キーワードは以下の通りです。
1連目は『美徳』
2連目は『才能』
3連目は『労働』
4連目は『意見』
5連目は『報酬』
6連目は『革命』
そして連のキーとなる言葉は必ず詩の中に入れてください。(一連目の担当の方は『美徳』を必ず詩の中に1回は入れてください。)

また1つの連は必ず6行の詩にしてください。

詩はリレー形式で繋げてゆきますので、一連目の方が創作されたら、二連目の方にお渡しして連ねて頂くことになります。

このエピローグは全ての作品が出揃ったあとに作るのですが、これにも意味があります。
きっと皆さんそれぞれの月の作品から感動や新たな創作の種、そして未知の扉への鍵などを受け取られたと思います。
ですからそんな想いも一緒にエピローグの詩に込めて頂きたいんです。

また賛歌といっても色々あると思うのですが【美しき天然(天然の美)】をイメージして頂ければと思います。【美しき天然(天然の美)】はサーカスやチンドン屋さんのテーマソング?になっているあの歌です。(笑)


天然の美

空にさえずる鳥の声
峯より落つる滝の音
大波小波とうとうと
響き絶えせぬ海の音
聞けや人々面白き
此の天然の音楽を
調べ自在に弾き給う
神の御手の尊しや

春は桜のあや衣
秋は紅葉の唐錦
夏は涼しき月の絹
冬は真白き雪の布
見よや人々美しき
この天然の織物を
手際見事に織りたもう
神のたくみの尊しや

うす墨ひける四方の山
くれない匂う横がすみ
海辺はるかにうち続く
青松白砂の美しさ
見よや人々たぐいなき
この天然のうつしえを
筆も及ばずかきたもう
神の力の尊しや

朝に起る雲の殿
夕べにかかる虹の橋
晴れたる空を見渡せば
青天井に似たるかな
仰げ人々珍しき
此の天然の建築を
かく広大にたてたもう
神の御業の尊しや



この詩は武島羽衣の作品で神を讃える詩になっているのですが、讃えているのは神道の神ではなく、キリスト教的な天地を創造した神だと言われています。
羽衣の奥さんは熱心なクリスチャンでその影響から、神の創造を讃えるこの歌が出来たとも言われているのですが、とても壮大な賛歌になっていると思います。

このエピローグの詩も【共和暦】やフランス革命を支えた民衆を讃えつつ、200年もあとにアジアの片隅でその出来事に思いを馳せながら『今』の思いを創作するアーティストへの賛歌になればと思っています。



色々とややこしい事を書き連ねていますがご理解の上、ご協力頂きたいと思います。
そしてみんなで素晴らしい作品を作りましょう!
最後の最後まで色々ご迷惑をお掛けしますが、どうか宜しくお願いします。


朱雀




=追伸=

詩が完成したら、絵描きさんにそれぞれの連のイラストを描いて頂きます。
各連をイメージしたカットイラスト的なものをお願いする予定です。
絵描きさんの選択は出来上がった詩を全員の絵描きさんにメールで送り、それぞれが描きたいと思う連を先着順で決定してゆきます。
但し、月で同じペアになった方の連は選択不可になります。



http://complass.nobody.jp/index.htm