小部屋の住人 =うみねこ=



          「背の割れた魚」

    君にあてて手紙を書こう
    便箋
    ティファニーの
    スカイブルーな

    世界は
    そうだね
    まだもう少し続くみたいだ
    ボクは
    ボクの周りの
    ごく限られた人たちが
    平和でいてくれたらいいと

    その中で
    君は
    なんだか奇妙な位置にいて
    まるで
    ホログラムの錯覚で

    生きていく
    と
    いうことは

    上手に忘れていくことなのに

    たぶん 
    ボクは

    おそらく 
    君も

    あまり上手な生き方じゃない


    ずっとずっと昔読んだ
    未来は
    スモッグと
    腐臭の海でできているって
    工場の街は
    うすく かすんだ

    背の割れた魚の写真
    二つの胴体に
    ひとつのしっぽ

    どこにもいけなくて
    砂に打ち上げられている


    そんな魚に
    君と

    なりたい

  

とても気に入っている作品です。過去から見た未来、それはずいぶん違ってしまっていた。
おそらく本当の未来も、ずいぶん違ってしまうだろう。
でもきっと、変わらないものが、ある。価値観とか、自由とかは、自分で決めなくちゃって。
そんな気分を後押ししてくれたから。だから好き、かな。



レンアイ系自由詩サイト「Culb Seagull's」管理人、うみねこです。
レゴブロックの偶然のように。少しだけ、背伸びしながら。

1行詩投稿などもやってます。遊びに来て下さいね。

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